倒産事件と家事事件の交錯
2021年11月20日、京都で全国倒産処理弁護士ネットワークの第19回全国大会が開催されました。パネルディスカッションのテーマは、「破産事件と離婚・相続事件との交錯」で、家事事件と倒産事件の交錯する場面について一石を投じる非常に有益な議論が交わされました。
今回、ご縁があって、私も所属している神奈川・千葉・埼玉の倒産事件を積極的に取り扱っている弁護士の私的研究会であるベイマリン事業再生研究会と、上記京都の全国大会の準備に携わった先生方と、「倒産事件と後見事件との交錯」をテーマに座談会を開催することとなりました(現在も進行中です。)。時間の都合もあり、京都の全国大会で取り扱うことがなかったテーマを議論しようという試みです。
その成果は、季刊事業再生と債権管理で連載していますので、是非ご覧ください(https://store.kinzai.jp/public/item/magazine/A/N/)。
私は、倒産・事業再生事件に関心が強く、取扱事件の中でも割合が多いのですが、今年は、ご相談を受ける機会が多かった印象です。実務上悩ましいのが、高齢化社会において経営者の方の判断能力が低下している状況で、倒産処理・事業再生をどのように進めていくかという問題があります。
なかなか文献も豊富ではない分野ですが、京都の準備会の先生方の知見の深さに大いに刺激を受け、定期的に意見交換をさせていただける機会は、とても楽しい時間です。
原稿の締め切りに苦しむこともありますが(笑)、来年も連載が続くことを嬉しく感じています。
〔弁護士 塩野大介〕