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弁護士情報セキュリティ規程を策定しました

2024.07.04 その他

 2017年6月の閣議決定「未来投資戦略2017」を受けて同年10月に「裁判手続等のIT化検討会」が設置され、その後いくつかの会議体と法制審議会での議論・検討を経て、2022年5月18日、民事訴訟手続のデジタル化等を内容とする改正民事訴訟法が第208回通常国会で成立しました。
 この改正法は、公布日(同月25日)から4年以内の政令に定める日までに段階的に施行され、完全施行されると、弁護士は訴状等を紙ではなくオンラインで提出しなければならなくなります。
 また、2023年6月6日には、民事執行法、民事保全法、倒産及び家事手続のデジタル化を可能とする法改正も行われました。この改正法も、公布日(同月14日)から5年以内の政令に定める日までに段階的に施行されます。
 刑事の分野でも、2021年3月に「刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会」が発足し、2022年3月に取りまとめが発表されています。

 このように、司法の分野でもIT化が進められており、今後、裁判に関わる全ての弁護士は、事件に関する情報を基本的に電子データとして保有することになります。もっとも、電子データは、複製が容易で、ひとたび流出すればインターネットを通じて無限に拡散され、かつ、インターネット上に半永久的に残存することになりかねないという特性があるほか、サイバー攻撃等による情報の漏えい、毀損、改ざん等の、紙媒体とは異なるリスクと常に隣り合わせにあります。
 そのため、日本弁護士連合会は、2022年6月10日の日弁連定期総会において、「弁護士情報セキュリティ規程」を成立させ、会員である弁護士に対し、施行日である2024年6月1日までに、自らの職務において取り扱う情報の「情報セキュリティを確保するための基本的な取扱方法」を定めるよう義務づけました。

 当事務所では、これまで、プライバシーポリシーを定め、サイバー保険に加入をしてきましたが、これに加え、上記日弁連の規程を受けて、2024年5月28日に「かなで法律事務所 情報セキュリティに関する基本的な取扱方法」を策定しました。
 今後も、これまで以上に情報セキュリティに留意して執務して参ります。

〔弁護士 塩野大介〕