かなで便り Kanade news

経営者保証ガイドラインについて

2024.10.27 倒産・経営者保証ガイドライン

 平成25年12月に策定された「経営者保証に関するガイドライン」については、これまでもかなで便りで取り上げて来ましたが、令和に入ってから、同ガイドラインを使った保証債務の整理に関与することが多くなってきたと感じます。
 同ガイドラインでは、「経営者たる保証人による早期の事業再生等の着手の決断について、主たる債務者の事業再生の実効性の向上等に資するものとして、対象債権者としても一定の経済合理性が認められる場合には、対象債権者は、破産手続における自由財産の考え方を踏まえつつ、経営者の安定した事業継続、事業清算後の新たな事業の開始等(以下「事業継続等」という。)のため、一定期間・・・の生計費に相当する額や華美でない自宅等・・・を、当該経営者たる保証人・・・の残存資産に含めることを検討することとする。」と規定しており(第7項⑶③)、いくつか要件があるものの、要件を満たせば、保証債務を整理しても自宅等を残せる可能性があります(破産手続の場合には、基本的には自宅等の不動産も処分しなければなりません。)。
 これまでに当職が担当した事案でも、無担保の自宅土地建物を残せた事例や、住宅ローンが残っている不動産でも住宅ローンを返済し続けることで処分を免れた事例などがあります。
 経営者保証ガイドラインを利用して自宅等を残すことを希望するならば、事業について、資金繰りが底を尽くぎりぎりまで継続するよりも、廃業止むなしの場合には早期の決断をした方が残せる可能性が高くなります。
 千葉県中小企業活性化協議会でも、経営者保証ガイドラインを利用した債務整理の相談を受けているので、残念ながら廃業について検討せざるを得ないときは、早めの相談をお勧めします。

〔弁護士 塩野大介〕